10月10日(月・祝)、東海社会人サッカーリーグ1部の第13節が行われ、鈴鹿アンリミテッドFC(以下、鈴鹿)はホームでChukyo univ.FC(以下、CUFC)に4-1と逆転勝ちを収めた。この結果、鈴鹿アンリミテッドFCは全リーグ日程を2位で終えることとなった。
スタメンはGK月成、DF村田、藤田、榊、野口、MF吉川、矢野、小澤、泉、小西、FW北野。前節、退場処分を受けた藤井に代わって、榊が先発したほか、小西もリーグ戦では初先発となった。
すでにリーグ優勝をFC刈谷に奪われている鈴鹿だが、この試合に勝てなければ3位転落という大事な試合。また、22日(土)から始まる全国社会人サッカー選手権大会(以下、全社)にはずみをつけるという意味でも、ホーム最終戦にきっちり勝利して、リーグ戦を2位で終えたい。
しかし、普段と異なるメンバーのせいか、立ち上がりから攻守に安定性を欠き、CUFCに攻め込まれる場面も見られる。実力的には圧倒すべき試合が、互角、もしくはそれ以下の内容となり、嫌な雰囲気が漂う中、23分には先制点まで許してしまう。CKのこぼれ球を坂居に豪快に蹴り込まれ、早くも1点を追いかける展開となった。
これで目を覚まさなければいけない鈴鹿だが、依然として攻撃の迫力を欠き、思うようにシュートチャンスを作ることができない。このままハーフタイムかと思われた43分、小澤のCKを藤田が頭で合わせ、さらに右のポスト付近にいた北野がボレーで押し込み試合を振り出しに戻した。
勝負の後半、前半よりもCUFCゴールへと迫れるようになった鈴鹿だが、まだいつものような連携や迫力を感じることができない。CUFCも次第に守備に重きを置くようになり、鈴鹿にとっては焦れる展開が続く。
そんな中、鈴鹿ベンチが動く。74分に泉を下げて芦田を投入。すると78分、スローインを受けた北野が小澤に落としてゴール前へ。タメを作った小澤は北野の動きを見逃さず、浮き球のパスをゴール前に送る。PA内右に走りこんだ北野がダイレクトボレーで捉えると、逆サイドネットへと突き刺さり、鈴鹿が逆転に成功した。
83分、矢野に代えて渋谷を投入。追加点を奪いに行った鈴鹿は、アディショナルタイム6分の中で2点を挙げる。まずは92分、PA右でキープした小西がクロスオーバーした大村に出し、抜け出した大村の折り返しをフリーの北野が押し込んで3-1と突き離し、北野はハットトリックを達成。さらにその2分後、右サイドから北野、小澤、小西とつなぎ、最後は芦田が得意の左足を振り抜いてダメ押しの4点目を挙げた。
「自分たちからゲームを壊してしまう恐れもあった試合」と北野が振り返った通り、結果的に逆転勝ちしたとはいえ、内容的に不満が残る試合だったことは間違いない。「勝ったから良かったで終わらせず、しっかり課題と向き合わなければ」(北野)、全社で勝ち上がり、全国地域サッカーチャンピオンズリーグに出場することはできない。まずはホーム最終戦で勝利し、リーグ2位という最低限のノルマは達成した。2週間後の全社でベスト4に入り、地域CL出場権を獲得すべく、ラストチャンスに臨む。