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東海社会人サッカーリーグ第7節(第13戦目) FC刈谷戦 マッチレポート

2016年10月4日
  • #トップチーム

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10月2日(日)、東海社会人サッカーリーグ1部の第7節が行われ、鈴鹿アンリミテッドFC(以下、鈴鹿)はホームのAGF鈴鹿陸上競技場(石垣池公園陸上競技場)でFC刈谷に0-3と完敗を喫した。

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スタメンはGK岡田、DF大村、藤田、藤井、野口、MF吉川、渋谷、矢野、小澤、泉、FW北野。6-0と大勝した前節、FC.ISE-SHIMA戦と全く同じメンバーで今シーズンの東海リーグ王者を迎え撃った。

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2週間前、敵地で敗れて目の前で優勝を祝う姿を見せられた悔しさを、ホームのサポーターの前で晴らしたい。そんな選手たちの想いは、立ち上がりの15分で感じることができた。ボールを丁寧につないでいく刈谷に対し、前からチェックに行って簡単には蹴らせない。序盤はどちらもペースを掴みきれない、五分五分の試合展開が続いた。

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ただ、前回の対戦時も、15分に先制を許すまで立ち上がり自体は決して悪くなかった。ミスから与えたCKにより失点し、そこから一気に流れを持っていかれてしまった。この試合でも、立ち上がりの入りは悪くなく、むしろ「入り自体は、前の試合よりも良かった」(小澤司)。

しかし、五分五分だった試合の流れが徐々に、刈谷へと傾き始める。刈谷の精度の高いパスワークがジャブのように効果を発揮し、鈴鹿のプレスが掻い潜られてバイタルエリアへの進攻を許してしまう。鈴鹿は最後のところで身体を張った守備を見せ、決定機こそ免れていたが、単純なクリアが多くなり、セカンドボールを相手に拾われて守勢の時間帯が続く。

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刈谷の攻勢が続く中、いかに我慢できるかが勝負の分かれ目だったが、ハーフタイムを待たずして38分に決壊。最終ラインから左サイドへと細かくパスを回され、ボールに鈴鹿の守備陣が寄ったところで逆サイドへ。完全にフリーとなっていたサイドバックの長野のシュートは、懸命に身体を投げ出した野口に当たるもそのままゴール。相手の最終ラインからゴールに至るパスワークに対し、鈴鹿の守備陣は誰もボールに当たることができなかった。

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1点ビハインドで迎えた後半、反撃に出たい鈴鹿は立ち上がりに決定機。前線で北野がボールを奪い返し、PA内左から左足を振り抜く。これはゴール右へとわずかに外れたが、この試合初めてといっていいチャンスだった。

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この流れを続けていきたい鈴鹿だったが、刈谷がワンチャンスをモノにする。55分、中盤で小澤から2人がかりでボールを奪うと、素早い切り替えからカウンター。スルーパス1本に抜け出した安藤がネットを揺らし、鈴鹿にとっては痛恨の2失点目を与えてしまう。

失点の直前に吉川を下げて原を投入していた小澤監督は、失点直後に矢野を下げて柿本を投入。前線の収まりどころを増やしたが、依然として流れは刈谷のままで、鈴鹿は「ボールを保持する時間も少なくて守備だけになってしまった」(小澤司)。

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この日の鈴鹿は、刈谷の守備を打ち破るような攻撃も、刈谷のパスワークを寸断する守備もできなかった。「相手に90分間ずっと主導権を握られてしまい、本当に不甲斐ない試合でした」と大村は振り返ったが、実際には前半と後半の立ち上がりに鈴鹿の時間帯もあった。にもかかわらず、プレーしていた選手たちは「90分間ずっと主導権を握られた」と感じてしまうほど、何もできなかったということなのだろう。

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終盤、パワープレー気味に攻める鈴鹿だが、ゴール前に鍵をかけた刈谷のゴールをこじ開けることは叶わず。逆にアディショナルタイム、坂本に強烈なシュートを浴びて3失点。ホームで完敗を喫し、今シーズンの東海リーグ王者の力を認めざるを得ない結果となった。

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「前回、負けたときと同じやられ方」と小澤司は振り返ったが、次に刈谷にリベンジする機会は、全社を勝ち抜いて全国地域チャンピオンズリーグに出場するしか訪れない。それまでに、「自信を持って、全社で一つでも二つでも勝って、前向きに開き直ってできるかどうかが最終的に問われてくる」(小澤監督)。次戦となるリーグ最終戦は10月10日(月・祝)、Chukyo univ.FCをAGF鈴鹿陸上競技場(石垣池公園陸上競技場)に迎える。前回、刈谷に敗れた後のFC.ISE-SHIMA戦で攻撃陣が爆発したように、リーグ最終節でも鬱憤を晴らすような試合を見せて、全社へと向かってもらいたい。