8月20日(土)、天皇杯出場権を懸けた三重県選手権の決勝戦が行われ、鈴鹿アンリミテッドFC(以下、鈴鹿)は三重交通G スポーツの杜鈴鹿でヴィアティン三重に3-1で勝利し、4年振り3回目の天皇杯出場を決めた。
スタメンはGK月成、DF大村、藤田、野口、藤井、MF堀河、渋谷、矢野、泉、FW角口、北野。準決勝では大学生相手に3バックを試した鈴鹿だが、この試合では4-4-2に戻して野口や藤井、北野らが先発に復帰。一方、ゲームキャプテンの小澤はベンチからのスタートとなった。
同じ三重のライバル、ヴィアティンとは今シーズン4度目の対戦。過去の3戦は2勝1分と勝ち越しているものの、「一番怖かったのは選手のマンネリ」と小澤監督は言う。その悪い予感が的中したのは前半9分、右サイドからのクロスを藤牧にダイビングヘッドで合わされ、あっさりと先制を許してしまう。
リーグ開幕戦(2-2ドロー)でも早々に失点しヴィアティンに主導権を握られる展開となったが、この試合では同じように先制点を許したものの、鈴鹿は決して慌てず、流れが変わるまで我慢強く試合を進めていく。
1点ビハインドのまま迎えた後半、小澤監督は柿本と小澤を頭から投入する。「前半の苦しい展開をベンチから見ていて、司君と『俺たちでゲームを決めよう』と言って試合に入った」という柿本と小澤が入った効果は、後半開始早々に見られる。
開始わずか1分、小澤のスルーパスに抜け出した泉が飛び出したGKの動きを見て冷静にゴール右隅へと流し込み、鈴鹿が試合を振り出しに戻す。柿本と小澤投入に加えて同点ゴールの勢いに乗った鈴鹿は64分、PA左からの泉の折り返しを、ゴール前の北野が押し込み逆転に成功する。
完全に流れを変えた鈴鹿はその後も攻勢に試合を進め、突き放すチャンスを作りながらも決めきれないまま、試合は残り10分。点差は1点ということもあり、ヴィアティンもパワープレー気味に鈴鹿ゴール前に圧力をかけてくるが、野口と藤井のセンターバックコンビがことごとく空中戦に競り勝ち、対人でもヴィアティンの攻撃を跳ね返し続ける。
すると迎えた85分、速攻から北野とスイッチした柿本がPA内左から左足を振り抜き、強烈なシュートで試合を決めた。ヴィアティンも残り5分で意地を見せたものの、鈴鹿も反撃を許さず3-1のまま試合終了。三重県代表として天皇杯出場権を獲得した鈴鹿は、8月27日(土)に名古屋市港サッカー場にて愛知県代表となった東海学園大学と対戦する。