7月10日(日)、東海社会人サッカーリーグ1部の第9節が行われ、鈴鹿アンリミテッドFC(以下、鈴鹿)はホームのAGF鈴鹿陸上競技場(石垣池陸上競技場)に常葉大学浜松キャンパスFC(以下、常葉大)を迎え、6-1と大勝。リーグ5連勝を飾った。
AGF鈴鹿では初となるスタジアムグルメも登場し、724人もの観客が入ったこの一戦。スタメンはGK岡田、DF原、藤井、野口、芦田、MF矢野、吉川、渋谷、泉、小澤、FW柿本。最下位相手ということ、そして週末にも試合が続くことを考慮し、藤田や村田、北野らを先発から外した。
今シーズンの鈴鹿の特徴の1つが、入りの良さ。この日も開始早々に先制点を奪うことに成功する。開始わずか2分、小澤がペナルティーエリア内右に侵入してボールを失うものの、こぼれ球が中央でフリーとなっていた柿本の元へ。このプレゼントボールを柿本が見逃すはずもなく、あっさりと常葉大のネットを揺らした。
このまま一気に畳み掛けようとする鈴鹿だったが、ミスから追いつかれてしまう。芦田のバックパスが弱くなり、野口の手前でカットされ常葉大のショートカウンターが発動。抜け出した石原にGK岡田の守るゴールを破られ、試合は振り出しに戻った。
するとその後、息を吹き返した常葉大が原と芦田を両サイドに置く不安定な鈴鹿守備陣を徹底的に突き、鈴鹿は守勢の時間帯が続く。小澤監督も「DFラインを入れ替えたことで、選手同士の共通理解や、新しい選手がチームのリズム、テンポを把握するのに時間が掛かり、失点を含めてバタバタする要因になってしまった」と振り返ったが、そこを上手く突いてきた常葉大も見事だった。
守備の乱れが整わず、あわやという場面も作られた鈴鹿だったが、33分に柿本がワンチャンスを生かす。サイドチェンジを受けた芦田が前線に縦パスを入れると、絶妙なタイミングで飛び出した柿本がGKと1対1のチャンスを迎え、冷静に沈めて勝ち越しに成功。ミスにより失点の原因を作ってしまった芦田が、名誉挽回の働きを見せた。
「もう一度運動量を上げて走って1人1人が自分の役割を果たそうと、(小澤)司くんを中心にハーフタイムに話しました」と柿本。そのミーティングが奏功したのか、後半は再び鈴鹿がペースを握る。
すると60分、右サイドで細かくつなぎ、抜け出した北野が中央の小澤に預けると、シュートも打てた小澤は冷静に左にラストパス。ここにフリーで走り込んでいた泉が落ち着いてネットを揺らし、3-1と突き放す。
これで一気に楽な展開となった鈴鹿は、枷を外したかのようにゴールを量産。69分、中央で受けた渋谷が左に展開し、受けた泉が縦に切り込んでゴール前に折り返す。ここに走り込んでいた渋谷が決めて4点目。79分には、泉の右サイドからのクロスをGKと交錯しそうになりながらも途中出場の近藤が押し込み5点目。完全に気持ちの切れた常葉大に対し、83分には小澤の素早いリスタートからの浮き球パスに呼応した渋谷がこの日2点目をマークし、6-1のゴールラッシュを締めくくった。
最下位相手ではあったが、スコアほどの差がある試合でもない。そのことは選手たちも重々承知で、主将の北野は「スコアでは6-1ですが、改善が必要な内容でした。勝ち続けるために、修正して準備していきます」とさらなる向上を目指している。
この週、首位のFC刈谷、2位ヴィアティン三重がともに試合がなかったため、鈴鹿が2位に浮上。首位との勝ち点差は2試合消化が少ない状態で「8」に縮まった。次戦となる第10節は7月17日(日)、再びホームのAGF鈴鹿陸上競技場にてFC岐阜SECONDと対戦する。