6月26日(日)、東海社会人サッカーリーグ1部の第8節が行われ、鈴鹿アンリミテッドFC(以下、鈴鹿)は敵地でヴィアティン三重との三重ダービーに2-1と競り勝ち、リーグ4連勝を飾った。
各チームの都合によって試合時期がバラバラになっている東海リーグ。ヴィアティン三重とは開幕戦で戦い引き分けているが、早くもリターンマッチが行われることとなった。
スタメンはGK月成、DF村田、藤井、野口、藤田、MF矢野、大村、渋谷、泉、小澤、FW北野。前節、退場処分を受けた吉川が欠場するボランチには大村が入り、前節ベンチスタートだった渋谷が先発に復帰した。
開幕戦では試合の入りに失敗した鈴鹿だったが、この日は立ち上がりからヴィアティン陣内でのプレーが続く。すると10分、小澤の左CKは逆サイドに流れるが、藤井が右サイドで奪い返し、ゴール前に折り返す。ここに飛び込んできた野口が豪快にネットを揺らし、センターバック2人の連携であっさりと先制点を奪う。
さらに19分、再び小澤の左CK。ファーサイドで合わせようとした藤井が倒されてPKを獲得。これをエースの北野が冷静に沈め、大きな追加点を挙げた。
その後も鈴鹿の攻勢が続き、守備でも藤井、野口のセンターバックコンビがヴィアティンの攻撃をことごとく跳ね返していく。「欲を言えば、前半でもう一点追加点がほしかった」と北野も振り返ったほど、前半45分間は鈴鹿が完全に試合の流れを掌握していた。
後半、2点を追うヴィアティンが必死の攻勢に出るが、これは鈴鹿にとっても織り込み済み。11分に矢野に代えて伊藤を投入し、前線からのプレスは緩めない。しかし13分、GK月成のパスを藤牧に奪われ、思わぬ形で失点を喫してしまう。1点差に迫ったことで、ヴィアティンが勢いづき、鈴鹿は徐々に守勢を強いられる展開へ。
「自分たちのミスで失点して、リズムが崩れてしまいチーム全体が慌ててしまった」と藤井は振り返ったが、「そんな中でも粘り強く戦えた」という北野の言葉通り、嫌な流れの中でも鈴鹿は集中を切らさなかった。
致命的なミスを犯してしまった月成も、ミスを引きずる様子は見せず、バックパスも怖がることなく落ち着いてプレー。極めつけは試合終了間際、ヴィアティンがゴール前にロングボールを放り込み、ゴール前での競り合いから月成の目の前にボールがこぼれる。これをヴィアティンが押し込むが、勇気を持って飛び出した月成の身体に当たったボールがクロスバーを直撃。ヴィアティンの最後にして最高のチャンスを、月成が文字通り体を張って防ぎ、鈴鹿が2-1で今季2度目の三重ダービーを制した。